リノベーション現場ブログ

窓を「小さくする」メリットとデメリットとは?~暮らしを見つめ直す設計の工夫~

こんにちは。

兵庫県川西市内に築35年の中古住宅をリノベーションしたモデルハウスがある、りのべイズムです。

日本の住宅では、明るく風通しの良い住まいが長く好まれてきました。
そのため、少し以前までは大きな窓を取り入れる設計が広く見られました。
しかし、近年は「窓を小さくする」ことで得られる利点にも注目が集まっています。
特に、断熱性能やプライバシーの観点から、あえて窓を小さくする選択をするご家庭も増えつつあります。

本記事では、日本の戸建住宅において「窓を小さくすること」のメリットとデメリットを、それぞれの暮らしの視点から考察し、どんな住まいに適しているかをご紹介していきます。


1. 窓を小さくするメリット

1-1. 断熱性・気密性が向上する

窓は、住宅において「熱の出入り口」となりやすい部分です。
冬は冷気が入り、暖かい空気が逃げやすく、夏は強烈な日差しが入り込み、室温が上昇します。

特に日本の従前のアルミサッシ+単板ガラスの窓では、
壁に比べて断熱性能が著しく劣るため、
窓が大きければ大きいほどエネルギー効率が下がりってしまいます。
窓を小さくすることで、外気の影響を受けにくくなり、冷暖房効率が向上します。

結果として、光熱費の削減にもつながり、年間を通して快適な室温を保ちやすくなる点が大きな魅力です。

現在進行形で、りのべイズムがリフォームを工事をしているお家では、

「とにかく冬に寒い!」というお悩みの施主さんのご依頼に応じて、

⇓写真のように、複数の窓を小さくしつつペアガラス(複層ガラス、二重ガラス)に入れ替えています。
(赤枠内が、既存の窓のサイズ。今回のリフォームで窓が小さくなる分、
残りの面積を壁にします。)


1-2. プライバシーの確保と防犯性の向上

都市部や住宅密集地では、隣家との距離が近く、窓からの視線が気になるケースも多いでしょう。特にリビングや寝室など、くつろぎたい空間においては、外からの視線を遮りたいという希望は、りのべイズムがリフォームやリノベーション工事をしている関西地域でも強くあります。

窓を小さくしたり、配置を工夫することで、室内のプライバシーを確保しやすくなります。
また、小さな窓は侵入経路としても使いづらく、防犯上も有利です。防犯ガラスやシャッターとの併用で、より安心な暮らしが実現できます。


1-3. メンテナンスの手間が減る

大きな窓は見た目の開放感こそありますが、掃除の手間もそれなりにかかりますね。
窓があれば、当然ホコリや雨だれ、カビの発生、サッシの汚れなど、日常的なお手入れが必要です。

小さな窓であれば、掃除が楽になるだけでなく、ガラスやサッシの交換・補修といったメンテナンスコストも抑えることができます。
特に共働き家庭や高齢者世帯にとっては、メンテナンスの手間が少ない家は非常に魅力的ですよね。


1-4. デザイン性の高い空間づくりが可能

窓のサイズを抑えつつ、計算された配置を行うことで、
スタイリッシュで落ち着いた雰囲気の空間を作ることができます。
近年人気の「和モダン」や「ミニマルデザイン」の住宅では、
あえて窓を最小限にし、素材や光の陰影で豊かさを表現する手法が取られています。

窓の位置を高めに設定し、柔らかな光を間接的に取り入れることで、外の景色に左右されず、住まいに一貫したデザイン性をもたらすことができます。


2. 窓を小さくするデメリット

2-1. 採光不足による暗さ

デメリットについても、併せて考えておきましょう。

窓を小さくする一番の懸念はやはり「室内が暗くなる」ことです。
小さな窓では自然光が十分に入らず、日中でも照明を点ける必要がある場合があります。

特に日本の冬季は日照時間が短く、天候も曇りがちです。窓の小ささが暮らしの快適性を損なってしまうこともあるため、設計段階での十分な検討が欠かせません。トップライト(天窓)や吹き抜けを使って光を補う工夫もできます。

自然光がお好きな方には、窓を小さくすることは心から喜べることではないかもしれません。

りのべイズムでは、断熱性などのメリットをお伝えしつつ、
最近は住宅の室内照明にダウンライトが用いられることや、それがLEDで電球の取り換えが長年必要でないこと、
また、ダウンライトを数カ所に散らす設計にすれば、昭和の家のように「お部屋の中心のみに灯りがあり四隅は暗い」なんてことは無いので、小さい窓でも快適に過ごすことは可能だということをお伝えする様にしています。


2-2. 通風性が劣る

大きな窓は、開放することで自然な通風を確保する役割も果たします。小さな窓だけでは空気の流れを作りにくく、換気の効率が落ちることもあります。

日本のように四季があり、梅雨の湿気や夏の蒸し暑さに対応するには、自然換気は重要な要素です。小さな窓を使う場合は、風の通り道を意識した配置や、24時間換気システムとの併用も考えたいですね。

最近は「扇風機」とは異なる「サーキュレーター」もデザイン性の高いものが沢山ありますし、こういったものも活用したいところです。


2-3. 開放感の欠如

大きな窓からの景色や光、風は、暮らしの中での「開放感」を生み出す大切な要素です。
小さな窓だけでは、外とのつながりを感じにくく、閉塞感を覚える可能性もあります。

特に自然豊かな場所や眺望の良い土地では、あえて大きな窓を設けて外との一体感を楽しむという選択もあります。
窓の大きさと景観のバランスを見極めて、決定したいですね。


3. どんな家・どんな人に向いている?

窓を小さくする設計は、以下のような条件に当てはまる方に向いていると言えます。

  • 都市部でプライバシーを重視したい人
  • 高断熱・高気密な省エネ住宅を目指す人
  • メンテナンスの手間を減らしたい(シニア)世帯
  • ミニマルで落ち着いた室内空間を好む人
  • 犯罪リスクが高いエリアに住んでいる人

一方で、自然光を重視する家庭や、周囲の景観を積極的に取り入れたい場合には、窓を小さくすることが逆効果になる可能性もあります。


4. まとめ:大切なのは「窓の大きさ」より「暮らしに合った選択」

住宅において、窓は単なる開口部ではなく、「光」「風」「視線」「景色」といったさまざまな要素をつなぐ存在です。だからこそ、ただ大きいから良い、小さいから快適とは一概に言えません。

重要なのは、自分たちの暮らし方に合わせて、どこにどのくらいのサイズの窓を設けるかを丁寧に考えることです。窓の役割を見直すことは、快適で無理のない家づくりの第一歩になります。

これから家づくりやリフォームを考える方は、ぜひ「窓のサイズ」にも一度目を向けてみてはいかがでしょうか。

川西市や北摂でリフォームなら、りのべイズムへ。
キッチン回りなどの部分リフォームも、お家全体のリノベーションも、ご相談いただけます。

モデルハウス:兵庫県川西市東畦野1-7-25(完全予約制)
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