りのべイズム コラム

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日本の住宅におけるタイル使いの歴史と現在

こんにちは。

兵庫県川西市内に築35年の中古住宅をリノベーションしたモデルハウスがある、りのべイズムです。

現代では、例えばキッチンではキッチンパネル、浴室内にはバスパネルという

お掃除もしやすい便利な資材がありますが、

タイルが好きな方もいらっしゃるのも事実です。

りのべイズムのリノベーションモデルハウスでも、洗面所やキッチンにタイルを入れています。

↑りのべイズムのモデルハウス 洗面所のモロッコ柄(モロッカン)タイル

そこで今日は、日本の住宅におけるタイル使いの歴史を調べてみました。

■ はじめに

住宅の仕上げ材として広く使われている「タイル」。その魅力は、耐久性や清掃性といった機能的な側面だけでなく、デザイン性の高さにもあります。近年ではキッチンや洗面、トイレなどの水まわりに限らず、リビングや外壁にも用いられるなど、再び注目を集めています。
本記事では、日本におけるタイルの使い方の変遷と、現代の住宅インテリアにおけるタイルの魅力を探ります。


■ タイルの起源と日本への伝来

タイルの歴史は非常に古く、紀元前4000年頃のメソポタミア文明や古代エジプトですでに壁や床に焼き物のタイルが使われていた記録があるそうます。
日本におけるタイルの伝来は、明治時代に入ってからのこと。西洋建築技術の導入とともに、煉瓦(れんが)やタイルといった耐火・耐水性のある素材が注目されるようになりました。

当初は主に公共建築や洋館の外壁、暖炉まわりなどに使用され、一般の住宅で目にすることはほとんどありませんでした。しかし大正から昭和初期にかけて、輸入品に代わる国産タイルの生産が盛んになり、次第に一般家庭にも普及していきます。


■ 昭和期の住宅とタイルの全盛期

昭和30〜40年代、日本の住宅におけるタイルの使用は一気に広がりました。特に多く使われたのが、キッチン・浴室・トイレです。
当時はモルタルや木材が主流だった中で、「水に強くて掃除がしやすい」という理由から、タイルは「清潔でモダンな素材」として受け入れられました。

・キッチンの壁に白い角タイル
・浴室には水色やピンクの小口タイル
・トイレにはグリーンやベージュのタイル

こうした色と形の組み合わせが、当時の家庭の“新しさ”を象徴していたのです。昭和の団地や住宅地の写真を見れば、タイル張りの水まわりがいかに一般的だったかがわかります。


■ 平成以降の変化 ― タイル離れの時代

平成に入ると、住宅資材の多様化が進みます。樹脂パネルやメラミン化粧板など、より施工が簡単で安価な素材が登場し、タイルは徐々に姿を消していきました。
「目地が汚れる」「施工コストが高い」といった理由から、特に一般住宅では避けられる傾向が見られました。

しかし、完全に姿を消したわけではありません。
外壁用のサイディングが普及する中でも、高級感と耐久性を求める住宅では外壁タイルが根強い人気を保ち続けました。外装タイルは経年劣化が少なく、塗装の塗り替えも不要という点で、長寿命住宅を目指す動きとも一致していきます。


■ 現代住宅でのタイルの再評価

近年、タイルは再び注目されています。
理由のひとつは、デザインの多様化です。かつては規格化された四角いタイルが主流でしたが、現在では、モザイクタイル・ヘリンボーン貼り・大判タイルなど、空間を演出するデザイン素材として使われています。

さらに、インテリアデザインのトレンドとして「素材感」や「質感」が重視されるようになり、無機質でありながら温もりを感じるタイルは、ナチュラルテイストや北欧スタイルの住宅にも自然に溶け込むようになりました。


■ タイルの使い方の工夫例

  1. キッチンの壁面(キッチンパネルの代わりに)
     → 清掃性とデザイン性を両立できる。
  2. 洗面台まわり
     → 水はねに強く、インテリアのアクセントにもなる。
  3. 玄関の床・框(かまち)
     → 耐摩耗性があり、雨の日の滑り防止にも。
  4. リビングの一部壁面
     → 間接照明と組み合わせて上質な空間演出が可能
  5. 外壁やアプローチ
     → 風雨に強く、年月を経ても美しさを保つ。

↑りのべイズムのモデルハウス キッチンのタイル

■ タイルを選ぶときのポイント

素材の種類(磁器質、せっ器質、陶器質など)を理解する
滑り止め加工吸水率をチェックする
目地材の色によって印象が変わるため、仕上げをイメージして選ぶ
・インテリア全体のトーンに合わせて、「冷たさ」よりも「質感」を意識する


■ まとめ

日本の住宅におけるタイルの歴史は、明治の洋館から昭和の団地を経て、現代のデザイン住宅にまで続いています。
時代ごとに役割を変えながらも、「清潔さ」「耐久性」「美しさ」を併せ持つ素材として、タイルは今もなお進化を続けています。

デザインと機能性を兼ね備えたタイルは、これからの日本の住宅でも“素材としての原点回帰”を象徴する存在になるかもしれません。

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